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ANA便をIBEXの乗務員が運航へ|2029年度開始予定、新しい運航の仕組みをCA受験生向けに解説

CA採用情報・航空会社研究

2026年7月29日、ANAとIBEXエアラインズから、国内航空のこれからを考えるうえで、とても興味深い発表がありました。

2029年度を目途に、IBEXの乗務員が「ANA便」を運航する新しい事業を開始するというものです。

「でも、ANAとIBEXは今もコードシェアしていますよね?」

航空業界に詳しい方なら、そう思うかもしれません。

そのとおりです。

2026年9月現在も、IBEXが運航する便の一部はANA便名(NH)でも販売されており、ANAとIBEXはすでに共同運航(コードシェア)を行っています。

ところが、今回発表された2029年度からの仕組みは、現在のコードシェアとは一歩進んだものです。

ANAが販売する「ANA便」そのものを、IBEXが運航会社として担うことになります。

CAを目指している方にとっても、これはぜひ知っておきたいニュースです。

なぜなら、これからIBEXを企業研究するときに、単に「ANAとコードシェアしているリージョナルエアライン」と覚えるだけでは、十分ではなくなってくるからです。

ANAとIBEXは2026年7月29日、「運航業務の管理の受委託」に関する包括的業務提携について合意したと発表しました。

事業開始は2029年度を予定しています。

発表されている役割を整理すると、次のようになります。

  • ANA:路線・便数計画、航空券の販売を担当
  • IBEX:運航会社として実際の運航を担当
  • 乗務員:IBEXの乗務員がANA便を運航
  • 使用予定機材:エンブラエルE190-E2

つまり、お客さまから見れば「ANA便」。

しかし、その便を実際に飛ばすのはIBEXという運航形態が予定されています。

なお、2026年9月現在、対象となる具体的な路線や便数はまだ発表されていません。

また、この事業は関係当局への申請・認可を前提としており、今後の調整によって事業形態が変更される可能性もあります。

ここが、今回のニュースで最も理解しておきたいポイントです。

2026年9月現在、ANAとIBEXはすでにコードシェア(共同運航)を行っています。

現在の仕組みでは、IBEXが運航するIBEXの便に、ANAの便名(NH)も付けて販売しています。

たとえばANAからNH便として予約しても、実際にはIBEXの機材を使用し、IBEXの乗務員が乗務する便があります。

これは一般的なコードシェアの形です。

一方、2029年度から予定されているのは、ANAグループ運航社からIBEXへ「ANA便の運航そのものを委託する」仕組みです。

簡単に整理すると、

  • 現在:IBEX便をIBEXが運航し、ANAもNH便名を付けて販売する
  • 2029年度以降(予定):ANA便そのものをIBEXが受託して運航する

という違いがあります。

一見すると「どちらもIBEXの乗務員が乗るなら同じでは?」と思うかもしれません。

しかし、航空会社の役割を見ると大きく異なります。

現在のコードシェアでは、IBEXが自社の運航便を持ち、そこへANAのコードが付いています。

これに対して新しい仕組みでは、ANAが計画・販売するANA便の運航をIBEXが担うことになります。

今回の発表を理解するには、日本の国内航空を取り巻く環境も見ておく必要があります。

人口減少や需要構造の変化、物価高、円安などによるコスト上昇が続く中で、地方路線をどのように維持していくのかは、航空業界全体の大きな課題になっています。

需要が十分にある路線なら、大型機を多く飛ばすことができます。

しかし、地域によって需要には差があります。

そこで重要になってくるのが、需要に合った大きさの航空機を効率よく運航することです。

ANAとIBEXは今回の提携によって、両社の経営資源を有効に活用しながら、路線維持と運航効率向上の両立を目指すとしています。

つまり、このニュースは単なる「ANAとIBEXが仲良くなりました」という話ではありません。

地域航空ネットワークをどう維持していくのかという、日本の国内航空全体の課題に対する一つの答えでもあるのです。

今回の事業で共通事業機として使用する予定なのが、エンブラエルE190-E2です。

ANAホールディングスは同じ2026年7月29日、この受委託事業の展開に向けてE190-E2を8機追加発注すると発表しました。

E190-E2は約100席クラスのリージョナルジェットです。

ANAは、低燃費・低騒音で運航コストを抑えながら、国内線の需要に応じて柔軟に機材を配置できる航空機として位置付けています。

大きすぎる機材では採算を取りにくい。

でも、その地域には航空路線が必要。

そんな路線で、100席前後の機材を効率よく運航できれば、地域航空ネットワークを維持する選択肢が広がります。

今回の発表で、CA受験生に特に注目してほしいのがIBEX側の考え方です。

IBEXは同日発表した中期経営戦略「Vision2030」の中で、今後の方向性として「オペレーション力を競争力の源泉とする新たなリージョナルエアラインモデル」への転換を掲げています。

2029年から現在のCRJ700の退役を開始し、E190-E2による100席クラスの運航体制へ移行する計画です。

そして、販売を中心とした航空会社というよりも、実際に安全・確実に航空機を飛ばす「オペレーティングキャリア」としての機能を強める方向を打ち出しています。

さらにIBEXは、将来的には「ブランドの枠を超えて運航を担う」ことを掲げ、運航受託やウェットリースなど、BtoB事業を広げていく考えも示しています。

これは、IBEXという航空会社を見るうえで、とても大きな変化だと思います。

これまでは、「地方路線を小型ジェットで運航するリージョナルエアライン」という理解が中心だったかもしれません。

これからはそこに、「高い運航力を強みに、他社ブランドの運航も担う航空会社」という役割が加わろうとしています。

CAを目指している方が今回のニュースを読んで、最も気になるのはここではないでしょうか。

公式発表には、はっきりと「IBEXの乗務員により、ANA便を運航」と記載されています。

つまり、客室乗務員についても、IBEXに所属するCAがANA便の運航を担うことになります。

ただし、2026年9月現在、

  • どの路線を担当するのか
  • 機体がどのような塗装・ブランド表示になるのか
  • IBEXのCAがどの制服で乗務するのか
  • 機内サービスはどのような基準になるのか
  • ANAとIBEXでどのような訓練・サービス連携を行うのか

といった具体的な内容は、まだ公表されていません。

ここは想像で決めつけるのではなく、今後の正式発表を待つ必要があります。

ただ、CA受験生にとっては、「どんな制服になるの?」という表面的な部分だけではなく、「IBEXがANA便の運航を任される会社になる」という意味を考えることの方が大切です。

私は今回の発表を見て、自分がJALの国際線CA時代に担当していた共同運航便乗務を少し思い出しました。

もちろん、当時私が経験した共同運航便と、今回予定されているANAとIBEXの運航受委託は、仕組みとしては別のものです。

ただ、「自分の所属会社だけではなく、別の航空会社のブランドを利用するお客さまにもサービスを届ける」という点には、少し共通するものを感じます。

私が共同運航便を担当していた頃は、外資航空会社が運航する便に、JALのCAが1~2名「編成外乗務」という形で同乗していました。

機内サービスでは運航会社のCAと一緒に働きながら、JAL便としてご利用いただくお客さまへのサービスや、JAL便としてのご案内も担当していました。

他社の機材の中にJALの制服を着た私がいるだけで、ホッとした表情を見せてくださるお客さまもいらっしゃいました。

そのとき私は、「自分がここにいる意味は、こういうことなんだな」と感じていました。

ブランドは、機体に描かれたロゴだけでつくられるものではありません。

お客さまと接する乗務員一人ひとりも、そのブランドを感じてもらう大切な接点です。

今後IBEXのCAがANA便を運航するようになれば、どのような形でANAブランドとIBEXの運航品質を両立させていくのか。

私はそこにも注目していきたいと思っています。

今回のニュースは、特にIBEXのCA採用を受ける方にとって、今後かなり重要な企業研究材料になると思います。

ただし、「ANA便を運航する点に魅力を感じました」では足りません。

もう一歩踏み込んで、今回の提携から「IBEXは今後どんな航空会社になろうとしているのか」を考えてみてください。

たとえば、

  • なぜIBEXはオペレーション力を競争力の源泉にしようとしているのか
  • リージョナルエアラインとして地域航空ネットワークにどんな役割を果たすのか
  • E190-E2への機材更新によって何が変わるのか
  • 他社ブランドの便を運航する会社には、どのような運航品質が求められるのか
  • 自社のお客さまだけでなく、他社ブランドを選んだお客さまにも信頼されるために何が必要なのか

ここまで考えてみると、今回のニュースが単なる採用面接用の「最近気になったニュース」ではなくなります。

自分がこれから入社しようとしている会社が、5年後・10年後にどこを目指しているのか。

そこまで見て企業研究をすることができます。

もちろん、このニュースはIBEX志望者だけのものではありません。

ANAを目指している方にとっても、ANAが今後の国内線ネットワークをどのように維持し、グループ外の航空会社も含めてどのように経営資源を活用していくのかを考える材料になります。

ANA国内線というと、「ANAの飛行機をANAの乗務員が飛ばしている」とイメージしがちです。

しかし現在でも、IBEX、AIRDO、ソラシドエア、スターフライヤーなどによるコードシェア便があります。

ANAグループ内でも、ANAウイングスなどが国内線ネットワークの重要な役割を担っています。

そして2029年度からは、さらにIBEXがANA便そのものの運航を担うという新しい形が加わる予定です。

航空会社を企業研究するときは、会社単体を見るだけではなく、「誰と組み、誰が運航し、ネットワーク全体をどうつくっているのか」という視点も持っておきたいところです。

今回の発表は2029年度開始予定の事業です。

そのため、この記事を書いている2026年9月現在では、まだ決まっていないこともたくさんあります。

特に今後注目したいのは、

  • ANA便受委託の具体的な路線
  • 便数
  • E190-E2の導入・運航体制
  • 機体デザインやブランド表示
  • CAの制服
  • 機内サービス
  • 乗務員教育・訓練
  • IBEXの採用への影響

などです。

新しい情報が発表されれば、このページでも随時更新していきたいと思います。

ANAとIBEXは、2029年度を目途にANA便の受委託事業を開始する予定です。

ANAが路線・便数計画と販売を担い、IBEXが運航を担当し、IBEXの乗務員によってANA便を運航します。

これは、現在行われている一般的なコードシェアから、さらに一歩進んだ提携です。

そしてIBEX自身も、今後は「オペレーション力」を強みに、ブランドの枠を超えて運航を担うリージョナルエアラインを目指しています。

CA受験生にとって大切なのは、ニュースの内容を暗記することではありません。

「このニュースによって、この会社はどこへ向かおうとしているのだろう?」と考えてみることです。

航空会社同士の提携、機材、路線、そして実際に運航する会社。

一つひとつをつなげて見ていくと、企業研究はぐっと面白くなります。

企業研究は、会社の情報をたくさん覚えることが目的ではありません。

大切なのは、

  • その会社のどこに魅力を感じたのか
  • 他社との違いをどう捉えているのか
  • なぜ自分はその会社でCAになりたいのか
  • 自分の経験と企業の特徴をどう結びつけるのか

を、自分自身の言葉で伝えられるようにすることです。

CA面接合格メソッドでは、元JAL国際線CAとしての乗務経験と、20年以上のCA面接指導経験をもとに、一人ひとりの経験や考えを丁寧に整理し、その人だから話せる志望動機・自己PR・面接回答を一緒につくっています。

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CA面接合格メソッド代表 長尾円

この記事の執筆・監修者

長尾 円

『CA面接合格メソッド』代表。JAL・ANAの両社から内定を得た経験をもとに、現在はCA受験生向けに面接対策・ES対策・コミュニケーション指導を行っています。

単なる受験テクニックではなく、「面接官視点でどう伝わるか」「評価されるポイントはどこか」を大切にしながら、新卒・既卒を問わず、一人ひとりの強みを言語化して「自分の言葉で話せる状態」に整えるサポートを行っています。

このブログでは、CA受験生が長く参考にできるよう、JAL・ANAを中心とした採用情報、面接対策、ES対策、選考の考え方をわかりやすく発信しています。

メディア掲載実績
すみだ経済新聞「キーパーソンインタビュー」にて、長尾円の特集インタビュー記事が全3回にわたり掲載されました。詳しくはプロフィールページに掲載しています。

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