CA受験の身体検査とは?視力・貧血・側弯症など受験前に確認したいポイント
CA受験の身体検査とは?視力・貧血・側弯症など受験前に確認したいポイント
CA受験を進めていく中で、意外と大きな不安になりやすいのが「身体検査」です。
「視力が悪いけれど大丈夫?」
「昔、貧血と言われたことがある」
「側弯症かもしれない」
「鼻のことで少し気になることがある」
など、面接とは違うところで心配になっている受験生も少なくありません。
特に最終選考まで進むと、
「面接は終わったけれど、身体検査で引っかかっていたらどうしよう」
と、結果が出るまで何度も気になってしまう方もいます。
私は長くCA受験のご相談を受けていますが、身体検査については、必要以上に怖がる必要はない一方で、「もっと早く確認しておけばよかった」と受験当日になって後悔することは避けてほしいと思っています。
この記事では、CA採用時の身体検査について、現在公表されている航空会社の募集条件と、これまで実際に見聞きしてきた受験例、私自身の経験を交えながら整理します。
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CA採用の身体検査とは?
航空会社の客室乗務員採用では、選考の中で身体検査が行われることがあります。
客室乗務員は接客を担当するだけではなく、航空機内の安全を守る保安要員でもあります。
そのため、
- 航空機に乗務するために必要な視力があるか
- 耳鼻咽喉や眼球などに乗務上の支障がないか
- 呼吸器・循環器などに問題がないか
- 脊椎などに航空機乗務上の支障がないか
- 乗務に必要な体力・健康状態を有しているか
などが確認されます。
たとえば2026年8月現在、JAL・ANAの新卒客室乗務職では、ともに裸眼またはコンタクトレンズ矯正視力が両眼とも1.0以上であることが応募条件として公表されています。
また、呼吸器、循環器、耳鼻咽喉、眼球、脊椎・腰椎などが航空機乗務に支障がなく、必要な体力を有することも条件として示されています。
ただし、採用条件や検査内容は航空会社や採用年度によって異なることがあります。
受験する会社の最新募集要項を必ず確認してください。
CA採用の身体検査と「航空身体検査」は別のもの
ここは少し混同されやすいところです。
インターネットで「航空会社 身体検査」などと検索すると、「航空身体検査」という言葉が出てくることがあります。
しかし、CA採用時に航空会社が行う身体検査と、法律上の「航空身体検査証明」のために行われる航空身体検査は同じものではありません。
国土交通省の航空身体検査証明制度は、操縦士など、航空法上の航空機乗組員が航空業務を行うために必要となる制度です。
客室乗務員になるために、この航空身体検査証明を取得する必要があるわけではありません。
ですから、
「CA受験前に航空身体検査を受けなければならない」
ということではありません。
ただ、私は受験前に航空身体検査を受けた経験があります。
私自身、CA受験前に航空身体検査を受けました
私がCAを受験したときは、受験前に不安要素を一つでも減らしておきたいと思い、自分の判断で航空身体検査を受けました。
もちろん、普通のCA受験生がそこまでする必要があるという意味ではありません。
私の場合は、
「面接まで進んだあとで身体のことで初めて何かを知るより、今確認できることなら先に確認しておきたい」
と思ったからです。
実際に検査を受け、自分の身体の状態を確認してから受験に進めたことで、少なくとも身体検査について必要以上に考え続けることはなくなりました。
もし身体面について強い不安があり、「あらかじめ確認してから受験したい」と考える場合には、このような選択肢もあります。
ただし、CA採用時の身体検査を事前に「合格できる」と判定してもらうためのものではありません。
航空会社ごとに採用基準もありますので、事前に受けた検査の結果が、採用時の身体検査の合格を保証するわけではないことは理解しておきましょう。
視力|「普段見えているから大丈夫」と思わない
CA受験で特に注意してほしいのが視力です。
現在のJAL・ANAの客室乗務職募集要項では、裸眼またはコンタクトレンズによる矯正視力が両眼とも1.0以上という条件が示されています。
ここで注意したいのが、「普段コンタクトで普通に生活できているから大丈夫」と思い込まないことです。
最近聞いた事例では、コンタクトレンズをしばらく新調しないまま使っていた受験生が、採用試験当日の視力検査で必要な数値が出ず、
「もっと早く確認しておけばよかった」と後悔されたそうです。
こうしたケースは毎年のようにあると聞きます。
視力は少しずつ変化することがあります。
自分では不自由なく見えているつもりでも、現在使っているコンタクトレンズの度数が今の視力に合っているとは限りません。
身体検査の直前になって慌てるのではなく、受験準備の段階で眼科を受診し、現在の視力や使用しているコンタクトレンズについて確認しておくと安心です。
CAは乗務中に眼鏡を使える?
CAは保安要員として働くため、乗務時の眼鏡着用について制限を設けている航空会社が多くあります。
実際、現在のJAL・ANAのCA募集要項でも、視力条件は「裸眼またはコンタクトレンズ矯正視力」とされており、眼鏡による矯正視力とは書かれていません。
必ず、応募する会社の条件を確認してください。
一方で、乗務時の眼鏡着用に関しては、医療上の事情などがあれば、会社への相談によって例外的な対応が取られることもあります。
私自身、現役CA時代に、短期間だけ眼鏡を着用して乗務した経験があります。
当時、ドライアイがひどく、コンタクト装着時のストレスから、レーシック手術を受けることにしました。
手術前には、医師から一定期間コンタクトレンズを装着しないよう指示を受けていました。
そこで私は事前に上司へ事情を説明し、「この期間だけ眼鏡を着用して乗務したい」と相談しました。
そして、会社から許可をいただいたうえで、その短期間は眼鏡で乗務しています。
これはあくまで当時の私の個別ケースです。
現在の各航空会社で同じ対応が認められるとは限りません。
ただ、健康上や医療上の事情が生じた場合に大切なのは、自分で判断して隠したり無理をしたりするのではなく、会社へ相談することだと思います。
聴力|CAにとって「いつもと違う音」に気づくことは安全につながる
CAの身体検査では、聴力についても確認されます。
客室乗務員にとって聴力が大切なのは、保安要員として、機内の「いつもとは違う音」に気づくことが重要な役割のひとつだからです。
航空機では、地上では異常が確認できなくても、上昇中・巡航中・降下中など、特定の条件になったときにだけ異音が聞こえることがあります。
たとえば、非常口ドア付近から微量の空気漏れ(エアリーク)が発生している場合、上空で初めて普段とは違う音として気づくことがあります。
このような場合、客室乗務員が異音に気づいて状況を確認し、必要な情報を整備士へ引き継ぐことで、地上滞在中に点検や対応をしてもらうことがあります。
私自身も現役CA時代、乗務していた便で非常口ドア付近のエアリークと思われる異音に気づき、報告した経験があります。
その際は、状況をログブックに記録し、次の点検につながるよう整備部門へ引き継ぎました。
機内では、エンジン音や空調音などさまざまな音が常に聞こえています。
だからこそ、「この音はいつもと少し違う」「普段は聞こえない音がする」と気づけることが、安全を守るうえで大切です。
CAに求められる聴力は、単に音が聞こえるかどうかだけではなく、周囲の変化を察知し、異常の可能性を見逃さないための大切な感覚のひとつです。
CAは身体を使う仕事|健康状態を確認する意味
CA採用で身体の状態が確認されるのは、客室乗務員が保安要員として安全業務を行う仕事であると同時に、実際に身体への負担もある仕事だからです。
長時間の立ち仕事に加え、機内では姿勢を変えながら作業をしたり、重いものを扱ったりすることもあります。
また、フライトでは地上とは異なる気圧環境を繰り返し経験し、早朝・深夜を含む不規則な勤務になることもあります。
実際にCAとして働いていると、腰痛やぎっくり腰、気圧の変化に伴う航空性中耳炎などを経験する人もいます。
また、個人差はありますが、女性乗務員の中には、婦人科系の疾患や月経に伴う出血、貧血などと付き合いながら乗務を続けている人もいます。
私自身もCAとして働く中で、腰痛・ぎっくり腰・航空性中耳炎のほか、婦人科系の疾患や貧血も経験しました。
だからといって、「何か不調があったらCAとして働けない」ということではありません。
大切なのは、自分の身体の状態を知り、必要なときには医療機関を受診しながら、体調を管理していくことです。
身体検査を「落とされるかもしれない怖い検査」と考えるのではなく、安全に乗務し続けるために必要な健康状態を確認するもの、と捉えてみてください。
側弯症が心配な場合|自己判断で受験を諦めない
側弯症について不安に感じる方からも相談を受けることがあります。
「昔、学校の検診で少し背骨が曲がっていると言われた」
「姿勢を見ると側弯している気がする」
というだけで、
「私はCAにはなれないのでは?」
と考えてしまう方もいます。
しかし、自己判断で受験を諦める必要はありません。
私の友人にも、CA受験前に自分がやや側弯気味ではないかと心配し、事前に整形外科を受診した人がいました。
診察では、実際に「やや側弯傾向がある」と説明されたそうです。
それでも、まずは自分がどの程度の状態なのかを把握したうえでJALの採用試験を受験しました。
身体検査を通過し、最終的にJALから内定をいただいています。
入社後も客室乗務員として問題なく乗務していました。
本人は、悪化させないよう日頃から正しい姿勢を意識して生活していました。
もちろん、この友人が身体検査を通過したからといって、
「側弯症なら誰でも問題ない」
という意味ではありません。
程度や症状は人によって違います。
大切なのは、「側弯気味かもしれない」という自分の感覚だけで合否を決めつけないことです。
気になる場合は早めに整形外科などの専門医へ相談し、自分の状態を把握しておきましょう。
鼻中隔湾曲症が心配だった受験生のケース
耳鼻咽喉についても、受験前に不安を感じる方がいます。
過去にご相談を受けた受験生の中に、
「鼻中隔湾曲症かもしれない」
と心配されていた方がいました。
そこで私は、
「心配したまま受験日を迎えるより、早めに耳鼻咽喉科などの専門医に診てもらって、現在の状態や治療が必要なのかを確認してみては?」
とお伝えしました。
その方は実際に医療機関を受診しました。
そして医師と相談したうえで手術を受け、その後JALの新卒採用に挑戦し、合格されています。
ここで誤解してほしくないのは、
「鼻中隔湾曲症なら手術をすればCAになれる」という意味ではない
ということです。
また、その方がJALに合格したことと、手術を受けたことに因果関係があると考えることもできません。
治療や手術が必要かどうかを判断するのは医師です。
この事例から私がお伝えしたいのは、
「身体検査が心配」と何か月も悩み続けるより、早めに専門医へ相談すれば、受験までに確認したり必要な対応をしたりできることもある
ということです。
身体検査で不安があるなら「早めに確認」が基本
ここまで紹介した事例には、共通点があります。
コンタクトレンズの受験生は、
もっと早く視力を確認していれば、受験当日に慌てずに済んだ可能性があります。
側弯を心配していた友人は、
事前に専門医を受診し、自分がどの程度の状態なのかを知ったうえで受験しました。
鼻中隔湾曲症を心配していた受験生は、
早めに専門医へ相談したことで、受験までに医師と治療について考える時間を持つことができました。
そして私は、
身体検査についての不安を残したくなかったため、受験前に自分から確認する方法を選びました。
身体検査で最も避けたいのは、
「もしかしたら……」
と思いながら何もしないまま試験当日を迎えることです。
不安=不合格ではありません。
しかし、確認できることを確認せず、準備できる時間を失ってしまうのはもったいないと思います。
身体検査のために過度な治療をする必要はありません
一方で、身体検査が心配だからといって、必要以上に医療機関を回ったり、自己判断で治療を始めたりする必要もありません。
この記事で紹介しているのは、
「何か問題を探しに行きましょう」
という話ではありません。
普段健康で、特に気になることもなく、募集要項の条件も満たしているのであれば、身体検査を過剰に怖がる必要はありません。
もし、
「以前から気になっている症状がある」
「過去に検診で指摘されたことがある」
「現在の視力がわからない」
といったことがあれば、その内容に合った専門医へ早めに相談する。
それくらいの考え方で十分です。
ほかに何を確認すればいい?|身体検査チェックリストを無料配布中
この記事では、実際にご相談の多い視力、側弯、耳鼻咽喉に関する事例を中心にご紹介しました。
ただ、CA受験の身体検査前に、
「自分はほかに何を確認しておけばいいの?」
と思う方もいると思います。
そこで、CA受験前に一度確認しておきたい項目をまとめた、
「CA受験 身体検査チェックリスト」
を作成しました。
記事の中ですべてのチェック項目をご紹介するのではなく、受験前に自分で確認できるよう、一覧にしてまとめています。
CA受験「身体検査チェックリスト」無料配布中
「身体検査がなんとなく心配。でも、何を確認すればいいかわからない」という方へ。
受験前にチェックしておきたい項目をまとめています。
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身体検査が心配でも、自分で不合格を決めないで
CA受験では、
「身長が低いから」
「視力が悪いから」
「側弯症かもしれないから」
「昔、健康診断で何か言われたから」
という理由で、応募する前から自分で可能性を閉じてしまう方がいます。
でも、身体の状態は一人ひとり違います。
同じ病名や同じような症状があっても、その程度や航空機乗務への影響まで同じとは限りません。
身体検査の結果を受験前に自分で決めることはできません。
だからこそ、
自分で「無理」と決めつけるのではなく、確認できることは早めに確認する。
そのうえで、応募条件を満たしているのであれば、受験準備に集中してほしいと思います。
身体検査は、CA受験の一つの過程です。
必要以上に怖がるのではなく、
「今できる準備をして、あとは自分の力を出す」
という気持ちで臨んでください。
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この記事の執筆・監修者
長尾 円
『CA面接合格メソッド』代表。JAL・ANAの両社から内定を得た経験をもとに、現在はCA受験生向けに面接対策・ES対策・コミュニケーション指導を行っています。
単なる受験テクニックではなく、「面接官視点でどう伝わるか」「評価されるポイントはどこか」を大切にしながら、新卒・既卒を問わず、一人ひとりの強みを言語化して「自分の言葉で話せる状態」に整えるサポートを行っています。
このブログでは、CA受験生が長く参考にできるよう、JAL・ANAを中心とした採用情報、面接対策、ES対策、選考の考え方をわかりやすく発信しています。
すみだ経済新聞「キーパーソンインタビュー」にて、長尾円の特集インタビュー記事が全3回にわたり掲載されました。詳しくはプロフィールページに掲載しています。
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