面接で「いい人」が落ちる理由。伝え方の誤差をなくす技術
面接で「いい人」が落ちる理由|伝えたつもりと「伝わった」の誤差をなくす技術
「感じがいいと言われるのに、なぜか面接に通らない」
「笑顔で答えられたし、面接官とも会話できた。それなのに落ちてしまった」
CA受験では、こうしたことが珍しくありません。
もちろん、CA面接で第一印象や感じのよさは大切です。
でも、「感じのいい人」=「採用したい人」ではありません。
面接官は短い面接時間の中で、
- この人はどんなことを大切にする人なのか
- 仕事ではどんな判断をする人なのか
- 仲間とどのように関わる人なのか
- お客様の前ではどんな対応をする人なのか
といったことまで判断しようとしています。
ところが、自分では一生懸命伝えているつもりでも、自分が伝えたい人物像と、面接官が受け取った人物像がズレてしまうことがあります。
私はこれを、面接で起こる「伝え方の誤差」だと考えています。
CA面接で大切なのは、「何を言ったか」だけではありません。
相手にどう伝わったか。
この記事では、この「伝えたつもり」と「伝わった」のズレを減らすために、CA面接で意識してほしいポイントを解説します。
面接は「好感度」だけでは通らない
CA面接では、笑顔や表情、声のトーン、相手との接し方など、第一印象はもちろん大切です。
ただ、感じがよければそれだけで合格するわけではありません。
面接官が知りたいのは、
「感じのいい人だな」
だけではなく、
「この人は、どんな人なんだろう?」
ということだからです。
たとえば、面接が終わったあとに、
「笑顔で感じのいい方でした」
という印象だけが残ったとしても、
「この人の強みは何だった?」
「仕事ではどんな行動をする人?」
「なぜこの人を採用したいと思った?」
と聞かれたときに、人物像が浮かばなければ評価につながりにくくなります。
CA面接では、好感を持ってもらうことと同時に、自分がどんな人なのかを相手が判断できる材料を渡すことが必要です。
怖いのは「伝えたこと」と「伝わったこと」のズレ
面接でよくあるのが、
「私はちゃんと答えた」
という感覚と、
「面接官が受け取ったもの」
が一致していないケースです。
たとえば、自分では「協調性」を伝えたつもりだったとします。
「私はいつも周囲の意見を聞き、みんなに合わせるようにしています」
本人としては、
「周囲を大切にできる」
「協調性がある」
と伝えたつもりかもしれません。
でも、面接官には、
「自分の意見は言えるのかな?」
「必要な場面で判断できるのかな?」
と聞こえる可能性もあります。
面接では、自分が込めた意味が、そのまま相手に届くとは限りません。
ここが、コミュニケーションの難しいところです。
あなたの長所が、逆の意味で伝わることもある
実際の面接では、良さとして伝えたことが、伝え方によって違う意味に受け取られることがあります。
たとえば、
- 協調性がある → 自分の意見がない人に見える
- 慎重に行動する → 判断や行動が遅い人に見える
- 責任感が強い → 一人で抱え込む人に見える
- 謙虚である → 自信がない人に見える
- 相手への配慮を大切にする → 言いたいことを言えない人に見える
- 丁寧に説明する → 話が長く、要点が分からない人に見える
どちらが正しい、という話ではありません。
大切なのは、
「私はこういうつもりで話しているから、相手にもそう聞こえているはず」
と思い込まないことです。
面接官は、あなたの頭の中を見ることはできません。
面接で話した言葉、表情、声、エピソード、質問への反応などから、あなたという人物を想像します。
だからこそ、面接準備では、
「何を言うか」だけでなく、「どう受け取られるか」まで考える必要があります。
面接官が同じようなことを聞くのには理由がある
面接中、
「さっき答えたのに、また同じようなことを聞かれた」
と感じることがあります。
たとえば、
「あなたの強みは何ですか?」
と聞かれて答えたあとに、
「周囲からはどんな人だと言われますか?」
「仕事ではどんな役割になることが多いですか?」
「最近、その強みが出た場面はありますか?」
と聞かれる。
受験生からすると、
「さっき説明したのに……」
と思うかもしれません。
でも、ここで少し視点を変えてみてください。
面接官が知りたいことが、まだ十分に伝わっていない可能性があります。
あるいは、別の角度から質問することで、先ほどの回答との一貫性を確認しているのかもしれません。
そこで同じ回答をそのまま繰り返すのではなく、
「今の伝え方では足りなかったのかな?」
と考え、違う具体例や言葉で伝えてみる。
この調整ができる人は、面接で強いです。
CAに必要な「相手を見て伝え方を変える力」
これは、単なる面接テクニックではありません。
実際のCAの仕事でも、とても大切なコミュニケーション力です。
同じ説明をしても、すぐに理解してくださるお客様もいれば、不安そうな表情をされる方もいます。
言葉だけでは伝わりにくい方もいます。
急いでいる方、緊張している方、初めて飛行機を利用する方、外国からのお客様など、状況もさまざまです。
そんなときに、
「私はちゃんと説明しました」
で終わるのではなく、
相手の表情や反応を見ながら、
「別の言い方にしてみよう」
「もう少し簡潔に伝えよう」
「確認しながら説明しよう」
と調整する。
伝えることではなく、伝わるところまでをコミュニケーションと考えられる人。
これは、CAとしてお客様や仲間と関わるうえでも、とても大切な力だと思います。
誤解が起きやすい3つの話し方
では、面接ではどんなときに「伝え方の誤差」が起こりやすいのでしょうか。
① 結論がなかなか出てこない
丁寧に説明しようとする人ほど、背景から順番に話したくなることがあります。
でも、面接官は、
「結局、この人は何を伝えたいのだろう?」
と思いながら聞くことになります。
特に面接では限られた時間の中で多くのことを確認するため、最初に結論が分かるだけでも聞きやすさが大きく変わります。
たとえば、
「私の強みは、周囲の小さな変化に気づけるところです」
と最初に伝えてから具体例を話す。
これだけでも、面接官は、
「このエピソードは『気づく力』の話なんだな」
と理解しながら聞くことができます。
② 言い切らない
「〜だと思います」
「〜かもしれません」
「どちらかというと〜です」
こうした表現が続くと、本人は謙虚に話しているつもりでも、面接官には自信がないように聞こえる場合があります。
もちろん、すべてを強く断定すればいいわけではありません。
ただ、自分の経験や自分自身について話す場面では、
「私の強みは○○です」
「私は○○を大切にしています」
「そのとき私は○○と判断しました」
と、自分の言葉として伝えて大丈夫です。
丁寧さは、曖昧な語尾だけで作るものではありません。
表情や声、相手への姿勢からも十分に伝わります。
③ 具体的な場面が見えない
「頑張りました」
「工夫しました」
「周囲と協力しました」
「お客様に寄り添いました」
これだけでは、悪いことは何も言っていません。
ただ、面接官にはその人が実際にどう動く人なのかが見えません。
たとえば「お客様に寄り添った」というなら、
何に気づいたのか。
なぜ声をかけようと思ったのか。
何と言ったのか。
相手はどんな反応をしたのか。
その経験から、自分は何を大切にするようになったのか。
そこまで見えてくると、初めて「この人なら、別の場面でもこういう行動をするのだろうな」と人物像を想像できます。
「具体的に話す」だけでは足りない
ここでもう一つ、大切なことがあります。
面接対策では、
「具体的に話しましょう」
と言われることが多いと思います。
でも、事実を詳しく説明すれば、それだけで評価されるわけではありません。
たとえば、
「アルバイト先で売上目標を達成しました」
「お客様からお褒めの言葉をいただきました」
「社内で表彰されました」
という事実だけを詳しく説明しても、その人自身が見えなければ、単なる実績紹介で終わってしまいます。
面接官が知りたいのは、その結果の裏側です。
- なぜ、そのことに気づいたのか
- そのとき何を考えたのか
- 何を優先したのか
- なぜ、その行動を選んだのか
- 周囲とどう関わったのか
こうした心の動き、目のつけどころ、判断基準、価値観が見えてくることで、語っている「その人」が見えてきます。
そして、面接官はそこから、
「この人は別の場面でも、同じような考え方で行動できそうだ」
と判断していきます。
この「再現性」については、こちらの記事で詳しく解説しています。
「合格っぽい答え」で落ちる。面接官が聞いているのは「再現性」
「いい人」から「一緒に働きたい人」になるために
CA面接で目指したいのは、
「感じのいい受験生でした」
で終わることではありません。
面接官に、
「この人と一緒に働いてみたい」
「お客様の前に立っている姿が想像できる」
「仲間の中にいてくれたら安心できそう」
と思ってもらうことです。
そのためには、立派な言葉をたくさん準備する必要はありません。
むしろ、普段どんなことに気づき、どんなことを大切にして、人とどう関わっているのか。
そうした普段のあなたが伝わる話の方が、人物像は見えやすくなります。
面接では、完璧な優等生になる必要はありません。
あなた自身が見えること。
そして、それが面接官に誤解なく伝わること。
そこを目指して準備してみてください。
誤解されないための「3点セット」
回答を作るときは、まず次の3つを意識してみてください。
- 結論を先に伝える
- 自分のことは、自分の言葉として言い切る
- 人物像が見える具体的な場面を1つ入れる
たとえば、
改善前:
「協調性があると思います。部活動でもみんなと協力して頑張りました。」
これでは、悪い回答ではありませんが、まだ人物像があまり見えません。
改善後:
「私の強みは、意見が違う人同士の間に入って話を整理できるところです。部活動で意見が割れたとき、どちらかの意見を通すのではなく、一人ずつ『何を一番大切にしたいのか』を聞きました。すると、方法は違っても目指しているものは同じだと分かり、全員で練習方法を決め直すことができました。」
こちらなら、
「協調性があります」
と言わなくても、
この人が人とどう関わる人なのかが見えてきます。
大切なのは、立派な表現にすることではありません。
面接官があなたをイメージできることです。
今日からできる「伝わり方」の練習
面接練習をするときは、自分一人で回答を完成させるだけでなく、誰かに聞いてもらうことをおすすめします。
そのとき、
「ちゃんと話せていた?」
だけではなく、こんな質問をしてみてください。
- 私って、どんな人に聞こえた?
- 一番印象に残った言葉は何だった?
- 私の強みは何だと思った?
- 分かりにくかったところはあった?
- もっと聞きたいと思ったところはどこ?
自分が伝えたかったことと、相手が受け取ったものを比べてみます。
もし違っていたら、失敗ではありません。
本番前に「伝え方の誤差」を発見できたということです。
また、自分の回答を録画して、
「自分が面接官だったら、この人をどんな人物だと思うだろう?」
という視点で見返すのもおすすめです。
まとめ|「何を言ったか」ではなく「どう伝わったか」
CA面接では、正しいことを言えば合格するわけではありません。
そして、感じがよければ、それだけで合格するわけでもありません。
大切なのは、
あなたという人が、面接官にどう伝わったか。
です。
自分では協調性を伝えたつもりでも、主体性がないように聞こえていないか。
謙虚に話したつもりでも、自信がないように見えていないか。
丁寧に説明したつもりでも、結局何を言いたいのか分からなくなっていないか。
面接準備では、
「私は何を話すか」から、もう一歩先へ。
「相手には、私はどんな人に見えるだろう?」
という視点を持ってみてください。
「伝えた」ではなく「伝わった」まで確認する。
その力は、面接だけではなく、CAになってからお客様や仲間と関わるときにも必ず役立ちます。
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自分の「伝わり方」は、自分では気づきにくいものです
面接で難しいのは、「自分が何を話したか」と「相手にどう伝わったか」は同じではないということです。
自分では丁寧に説明したつもりでも、面接官には結論が見えにくかったり、
本当は魅力的な経験を持っているのに、その人らしさまで伝わっていなかったりすることがあります。
個別面接セッションでは、回答を暗記するための練習ではなく、
実際にお話を伺いながら、「どこが魅力として伝わっているのか」「どこで誤解が生まれやすいのか」を一緒に整理します。
「話しているのに、なぜか伝わらない」
「自分の強みをどう言葉にしたらいいかわからない」
「面接での伝わり方を一度客観的に見てほしい」
そんな方は、個別面接セッションをご利用ください。
この記事の執筆・監修者
長尾 円
『CA面接合格メソッド』代表。JAL・ANAの両社から内定を得た経験をもとに、現在はCA受験生向けに面接対策・ES対策・コミュニケーション指導を行っています。
単なる受験テクニックではなく、「面接官視点でどう伝わるか」「評価されるポイントはどこか」を大切にしながら、新卒・既卒を問わず、一人ひとりの強みを言語化して「自分の言葉で話せる状態」に整えるサポートを行っています。
このブログでは、CA受験生が長く参考にできるよう、JAL・ANAを中心とした採用情報、面接対策、ES対策、選考の考え方をわかりやすく発信しています。
すみだ経済新聞「キーパーソンインタビュー」にて、長尾円の特集インタビュー記事が全3回にわたり掲載されました。詳しくはプロフィールページに掲載しています。
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