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伝えているのに伝わらないのはなぜか|育成現場で起きているコミュニケーションのズレ

育成に関わる立場の方とお話ししていると、こうした声をよく聞きます。

  • ちゃんと教えているのに、なぜか伝わっていない。
  • 本人のためを思って言っているのに、関係がうまくいかない。
  • 会議で意見を出すように言っても、何も出てこない。

こうしたことは、能力ややる気の問題ではありません。
多くの場合、「伝え方」と「受け取り方のズレ」から起きています。

褒めているつもりでも、伝わっていないことがある

育成担当になった先輩社員や上司が、相手を認める言葉をうまくかけられないことで、早期離職につながってしまうことがあります。

ここで大切なのは、ただ褒めればいいということではありません。
相手が自分の成長を実感できるように言葉をかけること、そして「褒める」だけでなく「認める」視点を持つことが重要です。

特に大きいのが、名前で呼ぶことです。
名前で呼ばれることは、単なる呼び方の問題ではなく、「ここにいてもいい」と感じられる存在承認につながります。

面談なのに、上司ばかり話してしまう

面談の場で、本来は相手の話を聞くべきなのに、上司や先輩社員の方がたくさん話してしまうことがあります。

けれど面談は、指導の場であると同時に、現場の声を吸い上げる機会でもあります。
本人が抱えている不安や、現場では対処しきれない問題を早い段階で把握できれば、上長として力を発揮できる場にもなります。

話すことが悪いのではなく、聞く時間が少なくなることで、面談そのものの役割がずれてしまうのです。

比較の仕方を間違えると、成長の実感を奪ってしまう

育成の場では、つい自分の若い頃と比べたり、優秀な先輩社員と比べたりしてしまうことがあります。

ですが、その比較は本人にとって励みになるとは限りません。
むしろ、距離のある比較は「自分はまだ足りない」という感覚だけを強めてしまうことがあります。

比べてよいのは、本人の過去と今です。
以前よりできるようになったこと、少しずつ変わっていることを言葉にする方が、本人は成長を実感しやすくなります。

良かれと思っての言動ほど、ズレに気づきにくい

自分にとっての当たり前が、相手にとっても当たり前とは限りません。
むしろ、良かれと思ってやったことが、相手にとっては負担や戸惑いになることもあります。

しかも、このズレは悪意のある言動ではなく、良かれと思っての言動から起きやすいため、問題に気づきにくいのが難しいところです。

気づいたときには、すでに関係が悪化していたり、相手が本音を言わなくなっていたりすることもあります。

意見が出ない会議は、参加者の問題とは限らない

「自由に意見を出してください」と言っても、会議で何も出てこないことがあります。

そのとき、参加者の消極性が原因だと考えがちですが、実際には場の設計の問題であることも少なくありません。

影響力の強い誰かの意見ばかりが自然に通る会議では、他の参加者は「どうせ言っても変わらない」と感じやすくなります。
また、その他大勢の意見が正解とは限らず、少数派の意見の中にこそ有益な視点が含まれていることもあります。

場への貢献が感じられない会議ほど、自分ごとにならない場はありません。
会議の質は、参加者の意欲だけでなく、発言しやすい構造があるかどうかで大きく変わります。

問題は、誰かが間違っていることではない

ここで起きているのは、誰かの性格や能力の問題ではありません。

「良かれと思っていること」が、相手にとってそうなっていないことに本質があります。
伝えているつもり、支えているつもり、場をつくっているつもりでも、相手の受け取り方が違えば、そこにズレが生まれます。

このズレに気づかないまま関わり続けると、関係性は少しずつ崩れ、育成そのものが難しくなっていきます。

必要なのは、やり方より先に「ズレ」に気づくこと

育成をうまく進めるために必要なのは、テクニックを増やすことだけではありません。

まず必要なのは、今の現場でどんなズレが起きているのかを整理することです。
認め方のズレ、聞き方のズレ、比較のズレ、会議のズレ。何が起きているのかを言語化できると、改善の方向が見えやすくなります。

ラプラスがご一緒できること

ラプラスでは、現場で起きているコミュニケーションのズレを整理し、育成や会議、面談の場で何が起きているのかを言語化するサポートを行っています。

単に伝え方を教えるのではなく、現場にある認識のズレを見つけ、共通認識をつくることを大切にしています。

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全体像を整理したい方へ

ここで扱った内容は、現場で起きているズレの一部です。

採用から育成、定着までを通して整理したい方は、こちらの記事で全体像をご覧ください。
採用と育成がなぜかうまくいかない本当の理由|現場で起きているズレの構造

また、こうしたズレは、教える側の内側で起きていることが影響している場合もあります。
優秀な人ほど育成に悩みやすい背景については、こちらで整理しています。
優秀な人ほど新人育成に苦戦する理由|できる人が育成でつまずく構造

さらに、このズレが続いた結果として、離職や定着の問題として表に出てくることも少なくありません。
その関係については、こちらの記事をご覧ください。
離職率が下がらないのは、制度ではなく「認識のズレ」かもしれない


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執筆・監修|長尾 円(有限会社ラプラス)

               採用と育成の現場で起きているズレを整理し、判断基準の言語化を通じて組織づくりを支援しています。
               法人研修・エグゼクティブコーチング・言語化支援を提供。

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