離職率が下がらないのは、制度ではなく「認識のズレ」かもしれない
- 離職率を下げるために、制度を整えているのに成果が出ない。
- 研修を増やしても、現場が変わらない。
こうした状況は、多くの企業で起きています。
一見すると制度や環境の問題のように見えますが、実際には別のところに原因があることも少なくありません。
離職の原因は「条件」だけではない
給与や待遇、福利厚生といった条件は、もちろん重要な要素です。
しかし、それだけで人が定着するわけではありません。
同じ条件でも、長く働く人と、早期に離職する人がいることからも分かるように、現場での体験の質が大きく影響しています。
その中でも見落とされやすいのが、日常のコミュニケーションにおける違和感です。
実は海外でも、離職を制度や条件だけの問題として捉えるのではなく、現場での関わり方や組織内の認識のズレとして見直す流れが強まっています。
制度を整えることは大切ですが、それだけでは定着しない。
日々の関わりの中で、どのような体験をしているかが、これまで以上に重要視されています。
近年は、リモートワークの普及や働き方の多様化により、現場での関係性が自然に育ちにくくなっています。
その結果、これまで曖昧なままでも機能していた前提や空気感が通用しなくなり、認識のズレがそのまま表面化しやすい環境になっています。
「合う人」を採り続けると、ズレが見えなくなる
採用の場では「自社に合う人材」を基準にすることが一般的です。
ですが、この基準だけで採用を続けると、組織の中に似た価値観の人が増えていきます。
一見すると安定しているように見えますが、異なる視点が入りにくくなることで、組織の中のズレに気づきにくくなるという側面もあります。
その結果、現場では同じ前提のもとでコミュニケーションが行われ、違和感が表に出にくくなります。
海外では「カルチャーフィット」ではなく、組織に新しい視点を加える「カルチャーアディティブ」という考え方が広がっています。
ズレが表面化するのは「合わない人」が入ってきたとき
既存メンバーと異なるタイプの人材が入ったとき、それまで見えなかったズレが一気に表面化することがあります。
- 指導しているつもりでも伝わらない。
- 意見を求めても発言が出てこない。
- 関係性がなかなか築けない。
こうした状況は、その人の能力や意欲の問題として捉えられがちですが、実際には組織側の前提とのズレが影響している場合もあります。
ズレが続くと「静かな離職」につながる
ズレがある状態が続くと、すぐに離職に至るわけではありません。
まず起きるのは、違和感を抱えたまま働き続ける状態です。
- 自分の考えを言わなくなる。
- 指示されたことだけをこなすようになる。
- 必要以上に関わろうとしなくなる。
こうした状態は、表面上は問題がないように見えますが、組織への関与が徐々に薄れている状態です。
この段階を経て、最終的に離職という形で表に出てきます。
問題は、個人ではなく構造として起きている
ここで起きているのは、個別の問題の積み重ねではありません。
同じようなズレが、さまざまな場面で繰り返されている状態です。
採用、育成、日常の関わり、それぞれの場面で起きていることは違って見えますが、実際には同じ構造の中で起きているズレが、形を変えて表に出ています。
必要なのは「制度」よりも前提の整理
離職率を下げるために制度を見直すことは大切です。
ただし、それだけでは解決しきれないケースも多くあります。
- 現場で何が起きているのか。
- どのような認識のズレがあるのか。
これらを整理し、共通の前提を持つことが、長期的な定着につながります。
制度を整える前に、現場の認識を整えること。
ここが揃うことで、はじめて組織としての一貫性が生まれます。
ラプラスがご一緒できること
ラプラスでは、現場で起きている認識のズレを整理し、採用から育成までを一貫して見直すサポートを行っています。
制度や手法の前に、現場の前提を揃えることを重視し、再現性のある組織づくりにつなげていきます。
全体像を整理したい方へ
ここで扱った内容は、離職という結果として表れているズレの一部です。
採用から育成までを含めた全体構造については、こちらの記事で整理しています。
採用と育成がなぜかうまくいかない本当の理由|現場で起きているズレの構造
日常の関わりの中で、どのようなズレが積み重なっていくのかを見たい方は、こちらをご覧ください。
伝えているのに伝わらない理由|現場で起きているコミュニケーションのズレ
優秀な人ほど育成に悩みやすい背景や、教える側の内側で何が起きているのかを整理したい方は、こちらの記事もおすすめです。
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