GSとCAで迷っている方へ|「CAがダメだからGS」ではなく、自分に合う航空業界の仕事を選ぼう
CA受験を考えている方の中には、グランドスタッフ、いわゆるGSを併願する方も多くいらっしゃいます。
CAとGSは、どちらも航空業界でお客様の旅を支える大切な仕事です。
採用試験でも、航空業界への理解、職業理解、接客に必要な素養、チームで働く力、自分の経験を仕事にどう活かすかといった点は、共通して見られている部分です。
ただし、CAとGSは、働く場所も、役割も、やりがいも、大変さも異なります。
だからこそ、私は「CAがダメだったらGS」という考え方ではなく、自分が航空業界でどのように働きたいのかを考えた上で、進路を選んでほしいと思っています。
CA面接対策まとめ|合格に近づくために準備しておきたいこと
面接官が見ているポイントを整理した記事はこちら。
CA面接で見られている6つの評価軸|面接官が見ているCAの素養
私が最初に憧れたのは、実はGSでした
私が航空業界に興味を持ったきっかけは、実は羽田空港のカウンターで働くANAのグランドスタッフの方でした。
- お客様に丁寧に対応する姿
- 的確な言葉で案内する姿
- 空港の中で、凛として働く姿
その様子を見て、「こんな仕事があるんだ」と憧れを抱いたのを今でも覚えています。
その後、たまたま従姉がANAの客室乗務員になったタイミングが重なり、私自身もCAという職業への志望度が高まっていきました。
結果として私はCAを目指し、JALの客室乗務員として働くことになりましたが、航空業界への入り口は、私にとってGSへの憧れだったのです。
CAとGSの違い|仕事内容と役割を比較
CAとGSは、どちらも航空会社や空港を利用するお客様に関わる仕事です。
ただし、求められる役割の性質は大きく異なります。

CAは機内で安全と快適性を支え、GSは空港で旅の始まりと運航の流れを支える仕事です。それぞれの役割や求められる力の違いを比較してみましょう。
CAは、主に機内でお客様の安全と快適性を支える仕事です。
一方でGSは、空港という多くのお客様やスタッフが行き交う場所で、短い時間の中で正確に判断し、案内し、関係部署と連携する仕事です。
「じっくりお客様と関わる仕事」というよりも、状況を見ながら瞬時に判断し、必要な対応を完結させていく場面が多い仕事でもあります。
だからこそ、CAとGSを同じ接客業としてひとくくりにせず、それぞれの役割の違いを理解しておくことが大切です。
「CAがダメだったらGS」がおすすめできない理由
航空業界で働きたいという気持ちから、CAとGSを併願すること自体は自然なことです。
実際に、CA受験生の中にはGSを併願する方も多くいらっしゃいます。
ただし、気をつけてほしいのは、「CAが難しそうだからGSも受ける」「CAがダメだった時のためにGSを受ける」という考え方のまま進んでしまうことです。
GSは、CAの代わりに選ぶ仕事ではありません。
空港では、分単位で状況が変わります。
出発時刻が迫る中で、遅れているお客様への対応、手荷物の状況確認、乗り継ぎのお客様の誘導、欠航や遅延時の案内など、同時に複数の判断が求められる場面もあります。
もし「CAのような接客」をイメージしたままGSになると、スピード感やマルチタスクの多さに戸惑い、「思っていた仕事と違った」と感じてしまうこともあります。
また、空港で働く中でCAの姿を目にする機会もあります。
心のどこかに「本当はCAになりたかった」という気持ちが整理されないまま残っていると、自分の仕事に前向きに向き合いにくくなる可能性もあります。
だからこそ、GSを受ける前に考えてほしいのです。
- 自分は本当に、空港でお客様を支える仕事に魅力を感じているのか
- 飛行機を安全に、スムーズに送り出す仕事にやりがいを感じられるのか
- 短い時間の中で、的確に判断し行動する仕事に向き合いたいと思えるのか
そこを整理した上でGSを目指す方は、面接でも言葉に説得力が出ます。
航空会社系、空港運営会社、外資系ハンドリング会社、地方空港の代理店など、さまざまな選択肢があります。企業研究を進めたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
GSの仕事の魅力とやりがい
GSの仕事は、カウンターでのチェックインや搭乗ゲートでの案内だけではありません。
空港の裏側では、便の出発状況、手荷物の搭載状況、遅れているお客様の情報、乗り継ぎのお客様の誘導など、さまざまな情報を関係部署と共有しながら、飛行機の運航を支えています。
国際線では、パスポートやビザ、渡航書類の確認など、専門知識が求められる場面もあります。
到着時には、手荷物の破損や未着など、お客様が不安や怒りを抱えている場面に最初に対応することもあります。
華やかに見える一方で、正確性、冷静さ、判断力、そして強い責任感が求められる仕事です。
私はCAとして働く中で、GSの皆さんの働く姿を数え切れないほど見てきました。
例えば、天候や機材繰りの影響で到着便が遅れた時。
私たちCAはお客様へお詫びをしてお見送りをしますが、その先ではGSの皆さんが乗り継ぎ便に間に合うよう、お客様をスムーズに誘導しています。
お子様の一人旅では、チェックイン後に心細さを感じているであろうお子様にやさしく寄り添いながら、搭乗までサポートする姿も見てきました。
また、小さなお子様連れのお客様への配慮や、搭乗時刻ギリギリのお客様と一緒にゲートまで走る姿を目にしたことも一度や二度ではありません。
限られた時間の中で状況を判断し、お客様に安心していただける言葉を選び、関係部署と連携しながら飛行機の運航を支えている。
そんなGSの皆さんの働きぶりには、尊敬の言葉しか浮かびません。
大変な仕事だからこそ、無事に飛行機を送り出せた時の達成感は大きいはずです。
お客様から「助かりました」「ありがとう」と言っていただける瞬間も、GSならではのやりがいにつながるのだと思います。
だからこそ私は、GSという仕事を「CAがダメだったから選ぶ仕事」として考えてほしくないのです。
GSにはGSならではの専門性があり、多くのお客様の旅を支える大切な役割があります。
CAだけじゃない|航空業界にはさまざまな働き方がある
航空業界の仕事は、必ずしも「CAかGSか」の二択だけではありません。
航空会社によっては、CAとGSの両方に関わる働き方をしているケースもあります。
例えばZIPAIRのように、客室業務、空港サービス、地上業務など、多様な役割に関わる働き方を掲げている航空会社もあります。
航空会社によって、仕事内容や役割分担、キャリアの考え方は異なります。
そのため、「機内で働きたいのか」「空港で働きたいのか」と単純に分けるだけでなく、会社ごとの働き方やキャリアパスまで調べてみることが大切です。
また、実際にはGSとして経験を積んだ後にCAへ転職する方もいます。
一方で、CA経験者が空港で働く仕事に魅力を感じ、GSや空港関連の仕事へ進むケースもあります。
航空業界の中には、さまざまなキャリアの形があります。
最初に選んだ仕事がすべてではありません。
現場で経験を積む中で、自分の興味や強みが見えてくることもあります。
- CAにも興味がある。
- GSにも興味がある。
- 空港業務にも、機内業務にも魅力を感じる。
そのような方は、航空会社ごとの採用情報や働き方を丁寧に調べてみると、自分に合う選択肢が見えてくることがあります。
大切なのは、名前やイメージだけで選ぶのではなく、自分がどのような形でお客様の旅を支えたいのかを考えることです。
近年は、客室乗務員(CA)とグランドスタッフ(GS)の両方を経験できる「マルチタスク職」を採用する航空会社も増えています。ZIPAIR TokyoのZ_ONEをはじめ、CAとGSの両方に関わる働き方について詳しくまとめた記事はこちらです。
羽田空港だけじゃない|地方空港のGSという選択肢
GSを目指す方の中には、「羽田空港で働きたい」「大きな空港で多くのお客様に関わりたい」と考える方もいます。
旅客数の多さ、離発着便の多さ、空港の規模の大きさに魅力を感じて、羽田空港や大規模空港を志望する方もいるでしょう。
もちろん、多くの便やお客様に関わることができるのは、大規模空港ならではの魅力です。
一方で、地方空港のグランドサービスが非常に優秀で、素晴らしい会社も数多くあります。
全国の空港を利用していると、お客様一人ひとりとの距離が近く、地域に根ざした温かいサービスを提供しているGSの方々に出会うことがあります。
規模が小さいからこそ、幅広い業務を経験できることもあります。
地域のお客様や観光客に、その土地らしい温かさで向き合えることもあります。
企業研究をする際には、「有名だから」「規模が大きいから」だけで判断するのではなく、その会社がどのようなサービスを大切にしているのかも見てほしいと思います。
どの空港で働きたいのか。
なぜその会社なのか。
その会社のグランドサービスのどこに魅力を感じているのか。
ここまで考えることができると、GS面接で話す志望動機にも深みが出てきます。
CAとGSで迷った時に考えてほしいこと
CAとGSで迷っている方は、まず「航空業界で働きたい」という気持ちを、もう少し具体的に分解してみてください。
たとえば、次のような問いを自分に投げかけてみると、考えが整理しやすくなります。
- 自分は、お客様の旅のどの場面を支えたいのか
- 機内で働くことに魅力を感じているのか
- 空港で多くのお客様やスタッフと連携することに魅力を感じているのか
- 飛行機に乗って働きたいのか、飛行機を送り出す仕事に関わりたいのか
- 大規模空港で働きたいのか、地域に根ざした空港で働きたいのか
- CAとGS、それぞれの大変さを理解した上で選べているか
「制服が好き」「空港が好き」「飛行機が好き」という気持ちも、入り口としては大切です。
けれども、面接で評価されるためには、その先にある職業理解が必要です。
どのような場面で力を発揮したいのか。
どのような役割にやりがいを感じるのか。
自分の経験や強みが、その仕事の中でどのように活かせるのか。
ここまで整理できると、CAを受ける場合でも、GSを受ける場合でも、志望動機や自己PRに説得力が出てきます。
本気でGSを目指す方なら、私は喜んで応援したい
もしGSを目指すのであれば、ぜひ「GSだから挑戦したい」と言える準備をしてほしいと思います。
CA受験とGS受験には共通する面接対策もあります。
第一印象、表情、話し方、聞く姿勢、チームで働く力、臨機応変な対応力、接客に対する考え方などは、どちらの面接でも大切です。
一方で、GSにはGSならではの職業理解が必要です。
- 空港で働くということ。
- 飛行機の定時運航を支えるということ。
- お客様の不安や困りごとに、最初に向き合う場面が多いということ。
- 多くの関係者と連携しながら、限られた時間の中で判断し行動するということ。
その仕事の本質を理解した上で目指す人は、面接でも言葉に深みが出ます。
反対に、「CAが難しそうだからGSも受けます」という感覚のままだと、面接官にもその浅さが伝わってしまうことがあります。
GSを併願すること自体が悪いわけではありません。
大切なのは、併願する理由を自分の言葉で語れるかどうかです。
このサイトでは、主にCA受験生に向けた情報を発信しています。
私自身がJAL国際線CAとして働いてきた経験があり、CA面接指導を長年行ってきたため、実際の現場での働き方や面接で見られるポイントについては、CA受験生向けにかなり具体的にお伝えしています。
一方で、GSについては、CAと同じ深さで現場の細かな業務を語ることはできません。
そのため、このサイトの中心テーマはCA受験に絞っています。
ただし、私は航空業界だけでなく、転職支援や面接指導にも長く関わってきました。
そのため、GS志望の方に対しても、職業理解の整理、志望動機の作り方、自己PRの言語化、面接での伝え方についてはサポートが可能です。
特に、CAとGSで迷っている方、GSを併願する理由をうまく言葉にできない方、自分の経験をGSの仕事にどうつなげればよいかわからない方は、一度整理してみることをおすすめします。
GSという仕事に本気で魅力を感じている方なら、私は喜んで応援したいと思っています。
まとめ|自分が旅のどの場面を支えたいのかを考えよう
CAとGSは、どちらも航空業界を支える大切な仕事です。
けれども、働く場所も、役割も、求められる力も同じではありません。
だからこそ、「CAがダメだったらGS」ではなく、「自分はどの場面でお客様の旅を支えたいのか」という視点で考えてみてください。
GSは、お客様が空港に到着してから飛行機に乗るまでの時間を支え、時には不安や困りごとに最初に向き合う仕事です。
そして、飛行機の運航を支える重要な存在でもあります。
大規模空港で多くのお客様に関わる働き方もあれば、地方空港で地域に根ざした温かいサービスを提供する働き方もあります。
航空会社によっては、機内業務と空港業務の両方に関わるキャリアもあります。
航空業界には、さまざまな働き方があります。
その中で、
- 自分はどのようにお客様の旅を支えたいのか。
- どの仕事なら、自分の強みや価値観を活かせるのか。
そこを丁寧に考えることが、納得できる進路選択につながります。
CAを目指す方も、GSを目指す方も、面接で大切なのは「なぜその仕事なのか」を自分の言葉で語れることです。
迷っている方は、まずは職業理解と自己理解を丁寧に整理するところから始めてみてください。
航空業界でどのように働きたいのか、自分の経験や強みをどう伝えるとよいのかを、面接官視点で一緒に考えていきましょう。
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この記事の執筆・監修者
長尾 円
『CA面接合格メソッド』代表。JAL・ANAの両社から内定を得た経験をもとに、現在はCA受験生向けに面接対策・ES対策・コミュニケーション指導を行っています。
単なる受験テクニックではなく、『面接官視点でどう伝わるか』『評価されるポイントはどこか』を大切にしながら、新卒・既卒を問わず、一人ひとりの強みを言語化して『自分の言葉で話せる状態』に整えるサポートを行っています。
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