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採用と育成がなぜかうまくいかない本当の理由|現場で起きているズレの構造

  • 優秀な人を採用しているのに、なぜか育たない。
  • 研修を実施しているのに、現場が変わらない。

多くの企業で、こうした違和感が起きています。
この問題を「人材の能力」や「やる気」で捉えてしまうと、本質は見えにくくなります。

実際に現場で起きているのは、個人の問題ではなく、認識や構造のズレです。
この記事では、そのズレを構造として整理しながら、なぜ採用と育成がうまくいかないのかを言語化します。

問題は「スキル不足」として扱われていること

育成がうまくいかないとき、多くの場合「教え方が足りない」「スキルが足りない」と考えられます。
そのため、研修を増やしたり、マニュアルを整備したりする対応が取られます。

しかし、やり方を教えているのに変わらない場面は少なくありません。
これは、スキルの問題ではなく、そもそもの前提のズレがある可能性を示しています。

表面的な行動だけを変えようとしても、現場の違和感が解消されない理由はここにあります。

実は海外でも、人材育成や定着の課題を「スキル不足」だけで捉えるのではなく、日々の職場体験や、組織の中にある認識のズレとして見直す流れが強まっています。

制度や研修を整えることは大切ですが、それだけでは現場が変わらない。
役割の明確さ、認められている実感、意見が尊重される感覚まで含めて見直すことが、これまで以上に重要になっています。

人が変われないのは「見えないブレーキ」があるから

海外のコーチングや人材開発の分野では、「変化への免疫」という考え方が注目されています。
これは、人が変わろうとするとき、無意識に現状を守ろうとする働きが起きるというものです。

たとえば、部下に任せたいと考えていても、実際には細かく指示を出してしまうことがあります。
これは意欲の問題ではなく、コントロールを手放すことへの不安が無意識に働いている状態です。

現場では「やる気がない」と見えている行動も、実際には守ろうとしている前提があることで起きている場合があります。

この背景については、こちらの記事でも整理しています。
優秀な人ほど新人育成に苦戦する理由|できる人が育成でつまずく構造

この構造に気づかないまま関わり続けると、指導を重ねても行動は変わらず、関係性だけが消耗していきます。

採用の段階でズレは生まれている

採用においても、同じ構造のズレが起きています。
「自社に合う人材」を基準にするほど、似た価値観の人材が集まりやすくなります。

一見すると安定しているように見えますが、異なる視点が入りにくくなることで、組織の同質化が進む構造になります。

その結果、新しい発想が出にくくなり、変化への対応力も下がっていきます。
さらに、既存メンバーと違うタイプの人材が入ったときに、育成がうまくいかず離職につながるケースも少なくありません。

採用と育成は切り離せるものではなく、同じ構造の中で連動している問題として捉える必要があります。

このようなズレの背景には、「過去に成果を出している人の行動を基準にする採用」があります。

コンピテンシー採用と呼ばれるこの考え方が、なぜ今の現場でズレを生みやすくなっているのかについては、こちらの記事で詳しく整理しています。
コンピテンシー採用の限界とは|『優秀な人の真似』が現場のズレを生む理由

育成がうまくいかないのは「思考が共有されていない」から

育成の現場では、業務の進め方や手順といった「やり方」を教えることに重点が置かれがちです。
しかし、それだけでは再現性のある育成にはつながりません。

本来共有されるべきなのは、その判断に至った背景や考え方です。
つまり、「なぜそうするのか」という思考のプロセスです。

この部分が共有されていない状態では、教わる側は状況が変わるたびに判断に迷い、主体的に動くことが難しくなります。

「教えているのに育たない」という状態の多くは、思考が共有されていない構造から生まれています。

現場で起きている具体的なズレについては、こちらの記事で整理しています。
伝えているのに伝わらない理由|現場で起きているコミュニケーションのズレ

ズレはすべて同じ構造の中で起きている

ここまで見てきたように、採用、育成、日常の関わりで起きている問題は、それぞれ別のものではありません。

実際には、同じ構造の中で起きているズレが、場面ごとに形を変えて表に出ています。

そのため、個別に対処しても根本的な解決にはつながりにくく、同じような問題が繰り返されていきます。

こうしたズレが続くと、最終的には人材の定着にも影響していきます。
離職率が下がらないのは、制度ではなく「認識のズレ」かもしれない

必要なのは、やり方より先に「構造の整理」

育成を改善しようとするとき、多くの場合は新しい手法や研修に目が向きます。
しかし、本当に必要なのはその前の段階です。

  • 現場でどのようなズレが起きているのか。
  • どこで認識が食い違っているのか。

これらを言語化し、共通認識として整理することが、改善の出発点になります。

やり方を揃える前に、前提を揃えること。
ここが整うことで、はじめて育成や会議、評価が機能し始めます。

ラプラスがご一緒できること

ラプラスでは、現場で起きているコミュニケーションのズレを整理し、採用や育成の場で何が起きているのかを言語化するサポートを行っています。

伝え方のテクニックを増やすのではなく、現場にある認識のズレを見つけ、共通の判断基準を整えることを重視しています。

構造が整理されることで、現場での判断や行動に一貫性が生まれ、再現性のある人材育成につながります。

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執筆・監修|長尾 円(有限会社ラプラス)

               採用と育成の現場で起きているズレを整理し、判断基準の言語化を通じて組織づくりを支援しています。
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